平凡な人間=自分

自分だけに備わった特別な才能や、幸運という考え方は、
いたずらに人生を惑わせる…

言われてみれば尤もだし、自分はそんな事してないと思っていた。
しかし気が付くと、
どこからか幸運が舞い込まないかとただ待っていたり、
才能の有る無しを基準に、自分を評価してる事に気付く。


周りと大差無い平凡な人間が、生まれ持った環境と、
現在の持っている限られた物だけを頼りに、
どうやって人生を生きていくかと考えたとき、
初めて現実的な思考をして向かうべき方向が明らかになる
と言う考え方を聞くと納得がいった。


私は最近色々な意味で、
人よりスタート地点がだいぶ後ろだった事をやっと受け入れた。

そして、その受け取り損ねたバトンを取り戻す為にも、
無駄に時間を使ってしまった。


そんな自分にとって谷沢さんの本は、
取りこぼし部分をどう処理するかのアドバイスをくれる。
なぜなら、
取りこぼしを取り戻そうとしない事が正しいときもあるのだ。


今回読んだ(「疲れない生き方」谷沢 永一)では、
必要としていた殆どの取りこぼしを自覚できたように思う。


結局、一人きりでは生きていけない人類というものに生まれ、
他人を押しのけて飛び出せば嫉妬の炎に焼かれるのであれば、
周囲の人たちとやきもきしながら、
囚人のジレンマ』を演じている事を分かち合い、
助け合ったり歩調を合わせたりして
生きていくしかないのだなぁ、と考えるにいたった。


人生にはまるで自由なんて無い感じだけど、それが真実なのだろう。


だけど、人間には好き嫌いをもとに行動を決めてよいという自由がある。
それだけでも十分楽しめるのではないだろうか。


「嫉妬」は悪い事じゃない。
「好き嫌い」も悪い事じゃない。
「競争」も「派閥」も人間なのだからあって当然。

そんな当たり前のような事を、
きちんと理解できていなかったのかもしれない。